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当院のジルコニアインプラント関する考え方について
近年、当院へのお問い合わせの中に、「ジルコニアインプラントはされていますか?」というお問合せが急増しています。一般的な「チタンインプラント」ではなく、「ジルコニアインプラント」についての、当院の方針についてお伝えいたします。
「ジルコニアインプラント」は、人工歯根の部分(体の中に入れて、骨と結合させる部分)の材質が、ジルコニアという成分でできているインプラントです。ジルコニアは、セラミッククラウンとして、すでに補綴物(被せ物)に近年頻繁に使用されている素材です(どこの歯科医院でも全て保険外治療の一つです)。生体親和性がよいため、当院でもクラウン(差し歯)、インプラント上部構造(インプラントの被せ物)は、多くの場合はジルコニアを使用しています。このジルコニアをインプラントの土台部分に使用したものが、「ジルコニアインプラント」となります。
当院では、「基本的には」ジルコニアインプラントによる治療は行なっておりません。主要な理由は、3つあります。①日本の厚生労働省の認可がおりているジルコニアインプラントがないこと、②ジルコニアインプラント自体の耐久性に若干の不安があること、③治療方法に制限があること、です。
①2023年時点で、厚生労働省の認可のおりているジルコニアインプラントはありません。そのため、もし現状でジルコニアインプラントの治療をご希望の場合は、認可外の治療になるため、治療に際して、認可外の処置であることに対しての承諾を得る必要があります(同意書への署名)。
②ジルコニアという素材の性質上、硬いが脆いという性質があり、若干曲がる(粘り気がある)性質の金属(チタン)とは、性質が異なります。インプラント自体の構造上、中空の方が治療には適していますが、脆いジルコニアを中空構造にすることで、より脆くなります。そのため、折れたり、割れたりするリスクがチタンのインプラント以上に常にあるため、これまでよりも、治療後の不具合 の確率があがる可能性があります。
③上記②で記載した、中空構造であることで、より破折のリスクがあるため、多くのジルコニアインプラントは、ワンピースインプラントという構造をしています。ワンピースインプラントは、インプラント周囲の骨が足りない場合には使えなかったり、インプラント上部構造(インプラントの被せ物)を接着剤で固定しないといけない(現在の主流は、スクリュー固定です。セメントの残存により、インプラント周囲炎を誘発するリスクが、上がってしまいます)ため、不具合が生じる別のリスクがあるためです。
このような理由から、当院では2023年では、患者さんへのメリットがあまりない(デメリットの方が大きい)と判断しているため、積極的にジルコニアインプラント治療は行なっておりません。ジルコニアインプラントは、今のところ、チタンインプラントと比較して、インプラント周囲炎になる可能性が低いかもしれない(まだ完全に証明されておりませんが)ため、商品の品質向上により、使用するべきタイミングが、近々来るだろうとは考えております。
医療機器、生体材料に関しては、体内に入れるものですので、新しいものが必ずしも良いわけではないが、良い場合もあります。治療導入、使用判断は非常に難しいですが、歯周病、インプラント専門のクリニックとして、より良い判断、知識、技術のアップデートを、これからも日々行なっていきたいと考えております。
歯周病・インプラント専門医
SPIDO院長
大阪大学 非常勤講師
日米2カ国の歯科医師免許保持
歯周病に関して、治療・研究・教育という 3本柱を中心に活動している、歯周病専門医です。治療は、自身の歯周病・インプラント専門クリニックSPIDOにて、研究・教育は、大阪大学歯学部歯周病科や、その他の学会・講演会・歯科雑誌などで、活動しております。
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