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最新論文が示す!「歯周病の細菌検査」は今、本当に必要ですか?
「歯周病は細菌が原因」と聞くと、「では、最新の細菌検査をすれば自分の病気のリスクや進行度がすべてわかるのでは?」と疑問を持つ患者様が増えています。
近年、唾液や歯周ポケット内の細菌を調べ、病気のリスクや進行度を測る「微生物学的バイオマーカー(細菌検査)」の研究が世界中で進められています。しかし、実際にこれらの検査がどれほどの精度で診断できるのかについて、専門家の間でも結論が分かれていました。
最新の科学的結論:現状、臨床での採用は「不十分」
この度、世界中の権威ある学術誌に掲載された複数の論文を総合的に評価した最新のレビュー論文(※)が発表されました。これは、個別の研究結果ではなく、現在の科学的知見をまとめたものであり、非常に重要な結論が示されています。
このレビュー論文では、31件の研究を詳細に分析しました。その結果、特定の細菌(P.g.菌やトレポネーマ菌など)を指標とする細菌検査は「将来性がある」ものの、「現在の科学的根拠は臨床現場で広く実施するには不十分である」と結論付けています。
なぜ不十分なのか?
その主な理由として、各研究間で「細菌を採取する場所や方法、病気の診断基準がバラバラで、結果の信頼性や比較が難しい」という方法論の不一致(バラつき)が挙げられました。
当院の姿勢:高価な検査よりも「基本」が最優先
この最新の科学的知見から、以下のことが言えます。
現時点では、高額な費用をかけて特別な細菌検査を受けたとしても、その結果が治療方針を決定する上で決定的な役割を果たすには至っていません。
したがって、当院では不確実な検査に費用をかけるよりも、最も確実で基本に忠実な検査を丁寧に行うことが、患者様の歯を守るための最善策であると考えています。
・歯周ポケット測定(PD): 歯と歯茎の境目の溝の深さを測る、最も基本的な検査です。
・レントゲン撮影: 細菌によって破壊された「骨の状態」を正確に把握します。
これらの基本に忠実な検査を正確に行い、その結果に基づいて、徹底した歯石除去や適切なブラッシング指導を行うことこそが、歯周病治療の成功に不可欠です。
日本で一般的に実施されている遺伝子検査と、当院での検査の違いについては、こちらのコラムをご覧ください。
高精度な細菌検査が臨床現場で使えるようになるのは、もう少し先になるかもしれません。未来の「精密歯科医療」に期待しつつ、今は「基本」を大切に、一緒に歯周病と向き合っていきましょう。
(※参考文献:[Nagihan Bostanci et al., J Clin Periodontol, 2025])


歯周病・インプラント専門医
SPIDO院長
大阪大学 非常勤講師
日米2カ国の歯科医師免許保持
歯周病に関して、治療・研究・教育という 3本柱を中心に活動している、歯周病専門医です。治療は、自身の歯周病・インプラント専門クリニックSPIDOにて、研究・教育は、大阪大学歯学部歯周病科や、その他の学会・講演会・歯科雑誌などで、活動しております。
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