市中の歯科医院と、専門クリニックは何が違うのでしょうか? お口の中は体の中でも小さな部位ではあります ...

歯周組織再生療法を受けても良いクリニックの見極め方① -診断の正確性-
今回のお話は、”歯周組織再生療法を行う前に知っておきたいこと”
『歯周組織再生療法を受けても良いクリニックの見極め方』となります。
『歯周組織再生療法を受けても良いクリニックの見極め方① 』
第一に、歯周組織再生療法とは、歯の周りで失われてしまった骨・歯根膜・セメント質(これら3つの組織に、歯肉を入れて、歯周組織と言います)という3つの大切な組織を、もう一度つくり直すことを目指す治療です。
この治療で一番大切なのは、治療を始める前に “正確な診断” をすることが、とても重要になります。(参考文献1)
歯周組織再生療法は、すべての骨の吸収に対して行えるわけではなく、再生に適しているケースもあれば、そうでないケースもあります。
歯周組織再生治療を行うことで、このような骨欠損への回復が可能となります
歯周組織再生治療が可能な症例

歯周組織再生療法が難しい(再生が見込める可能性が低い)症例

そして、それは単純に「できる」「できない」とはっきり分けられるものではなく、成功しやすい条件が整ったケースから、条件が悪く成功しにくいケースまで幅広く存在し、その間には“グレーゾーン”と呼ばれる判断が難しいケースもあります。
このグレーゾーンの症例は、歯科医師によって判断が分かれることがあります。一般の歯科医師よりも、歯周病や再生治療に経験のある専門医の方が、より積極的に対応できることが多いといえます。
当院では再生治療を行うが、他院では抜歯と言われる可能性がある症例
根尖(根っこの先)まで及ぶ骨欠損への歯周組織再生治療の症例

一方で、診断が十分でないまま無理に治療を行ってしまうケースもあります。
再生療法は、体の自然な治癒力を利用する治療のため、条件が整っていない場合に無理に行っても、うまく結果が伴わずに想像とは違う結果になることも多々あるのです。
そのため患者さんからすると、「このクリニックなら歯を残してくれる」「ここなら再生療法をしてくれる」と見えていたとしても、
実際には正確な診断と技術に基づいて適切に行っている場合と、診断が不十分なまま行ってしまっている場合によって大きく結果に差が出てしまい、患者さんがその違いを見分けることもとても難しいのが現状です。
ですから、歯科医師側が、現在の口腔内状況に至った経緯をしっかりと把握し、その上で “正確な診断” を行い、治療の適応かどうかを見極めることがとても重要になります。
今後、歯周組織再生療法を受けようと思われる際には、こちらの3項目を満たしているかという点を
確認されることをお勧めします。
1. しっかりと診断の内容を説明してくれること
2. 治療方法や使用する材料について丁寧に説明してくれること
3. そして手術前に十分に話し合えること
少なくとも、これらはとても大切な条件になります。
是非、歯周組織再生療法を受けようと思われる際のクリニック選びにお役立てください。
参考文献1
Cortellini, Pierpaolo, and Maurizio S. Tonetti. “Clinical concepts for regenerative therapy in intrabony defects.” Periodontology 2000 68.1 (2015): 282-307.

歯周病・インプラント専門医
SPIDO院長
大阪大学 非常勤講師
日米2カ国の歯科医師免許保持
歯周病に関して、治療・研究・教育という 3本柱を中心に活動している、歯周病専門医です。治療は、自身の歯周病・インプラント専門クリニックSPIDOにて、研究・教育は、大阪大学歯学部歯周病科や、その他の学会・講演会・歯科雑誌などで、活動しております。
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