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歯周病の検査、それ大丈夫?②
歯周病の検査、それ大丈夫? ②
このお話は、歯科医療関係者のためや、他の歯科医院のこと、健康保険のことを批判したりするものではありません。当院は、通常の歯科医院と違い、歯周病治療専門クリニックです。パッと見た感じだと、一般歯科医院との違いがわかりにくいと思います。その違いについて、解説するためのコラムです。多くは一般歯科医院であるため、今まで一般には知られていないことも含めて、ご説明します。では、第2回をはじめましょう!
歯周病の検査は大きく分けて、2つあります。一つはレントゲン検査、もう一つは歯周組織検査です。歯周病検査①では、レントゲンのお話をしましたので、今回は歯周組織検査についてお話をします。歯科医療関係者でも知らないこともあるので、一般の方には難解な内容かもしれません。歯科治療の闇の部分でもありますが、勇気を持って説明したいと思います。結論から言うと、健康保険での歯周病検査は、『結構適当だ』と言うことです。
歯周組織検査
歯周組織検査は、いくつかの項目で成り立っております。同じ歯周組織検査と言っても、健康保険治療でも歯周基本検査と歯周精密検査と2つあります。これらの違いについて、説明していきますが、結論から言うと、これらのどちらの検査をしても、2019年の最新の歯周病診断の検査項目には足りず、残念ながら健康保険の検査では歯周病の診断ができないのが、現状です。
まず、ポケット検査から。ポケット検査は、世界的には1つの歯に対して6点(外側3点、内側3点)の計測を行います。しかし、日本の歯周基本検査では1つの歯に対して、『1点以上』、歯周精密検査では、『4点以上』というルールになっております。ほとんどの場合、最初に行うのは基本検査です。『以上』と書かれているので、『1点以上』であれば、事実上何点計測してもいいですよ、病気の検査なのにもかかわらず、非常に曖昧なルールとなっております。歯が全て存在していると、1点で28ヵ所、6点で168カ所になり、当たり前ですがその分非常に時間がかかるため、実質的にほとんどが1点法で計測が行われています。
『本来、168カ所を計測しなければいけない場所を、28カ所の計測をすることで、本当に歯周病かどうか判断できると思いますか??』
答えは、明白ですね。残念ながら、できません。たとえ、診断はできなくても、歯科医師はお口の中のエキスパートなので、何となくはわかります。でも、何となくで、治療して、診断や治療法が適切なものでなかった場合は、どうなんでしょうか??
歯周精密検査は、特定のタイミングのみ行うことが多く、治療の前後で、数回検査を行いますが、全て精密検査で行っているクリニックはないと思います(基本検査で算定(請求)して、実際は精密検査を行っているクリニックはあると思います)。
歯周検査の闇は、まだ続きます。これは、あくまで歯周組織検査のうちの一つ、ポケット検査についてです。。。。
- 歯周病・インプラント専門医
- SPIDO院長
- 大阪大学 非常勤講師
- 日米2カ国の歯科医師免許保持
歯周病に関して、治療・研究・教育という 3本柱を中心に活動している、歯周病専門医です。治療は、自身の歯周病・インプラント専門クリニックSPIDOにて、研究・教育は、大阪大学歯学部歯周病科や、その他の学会・講演会・歯科雑誌などで、活動しております。
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