市中の歯科医院と、専門クリニックは何が違うのでしょうか? お口の中は体の中でも小さな部位ではあります ...
専門クリニックと一般歯科の違い②
歯科医師としての知識、技術アップデートの方法が異なる
今回は、一般歯科と専門クリニックの違いの2回目になります。今回は、我々歯科医療従事者としての知識のアップデート方法の違いについて、考えていきたいと思います。日本の歯科医師免許は更新制ではありません。(米国の歯科医師免許は、日本の運転免許のように更新制です)そのため、歯科医師国家試験合格後、どのように研鑽を積むかは、人それぞれです。まず、前提として、歯科医師国家試験で問われる知識は、最低限の知識であり、国家試験に合格したからといって、そのまますぐに治療ができるわけではなく、必ず研修(下積み)が必要です。そして、ある程度知識がついてきたとしても、そこで終わりではありません。なぜなら、医学は日々進歩しているので、新しい知識、技術のアップデートが常に必要となります。
アップデートすることは、歯科医師として必須ではない(特に健康保険診療ならなおさら)
このように、知識、技術のアップデートは必要なのですが、健康保険診療は診療自体にほとんどアップデートがないため、健康保険診療をする分には、そこまで日々勉強をしなくても、診療ができてしまいます。また、これらのアップデートは、当然診療時間外にしなければいけないため、休日をこういった時間に費やす必要があります。真面目な先生もたくさんおられますが、そうでない先生もおられるため、アップデートは必要だとわかっていても、忙しいということを言い訳にして、アップデートを怠っている先生も当然ですがおられます。(世の中、十人十色です)
アップデートの方法の違い(専門医と一般歯科)
私が考える、専門医と一般歯科の違いは、アップデート方法の違いです(前述のアップデートをあまりしない先生方は、ここでは省略します)一般の歯科医師の先生方は、多くの場合、講演会や講習会などでの、他の歯科医師の先生方からの話を聞いて、勉強するというスタイルです。しかし、これでは情報のアップデートのスピードが遅くなり、かつ不正確になります(又聞きの又聞きとなになるため)それに対し、専門医の先生は(これも人によってまちまちですが)、自分でより正しい情報を得にいくことができます。正しい情報とは、わかりやすくいうと英語の論文です。英語の論文は、執筆者とは別の第3者によって査読がされているため、客観性が高いと考えられており、あまり変なことは書いてありません。ただ、日本人にとっては、英語で書かれているという欠点があるため、読むのに時間がかかったり、たくさん読めなかったりして、一般の先生方は敬遠されます。しかし、専門医としては、正確な情報を正しく得るためには、一番の方法だということを知っているため、英字論文を読むことでアップデートします。
歯周病って国民の何%がかかっているか?
歯科医院のホームページで、国民の8割が歯周病にかかっている、というフレーズがよくありますが、一般的(国際的には)そのようなデータはなく、約50%というのが一般的です。日本人だけ、異常に歯周病にかかっている確率は高いはずはありません。日本のどこかから出たデータをもとに、記載されていると思いますが、正確な知識を得ていると、国民の8割という数字が一般的ではないことはわかるのですが、情報の裏付けをせず、又聞きの又聞きをしてしまっているので、「国民の8割」というフレーズが、広がってしまっています。この文章を読まれた方は、しっかり日々研鑽されている先生に診療して頂けることを願っております。
- 歯周病・インプラント専門医
- SPIDO院長
- 大阪大学 非常勤講師
- 日米2カ国の歯科医師免許保持
歯周病に関して、治療・研究・教育という 3本柱を中心に活動している、歯周病専門医です。治療は、自身の歯周病・インプラント専門クリニックSPIDOにて、研究・教育は、大阪大学歯学部歯周病科や、その他の学会・講演会・歯科雑誌などで、活動しております。
2018年6月21日に、米国歯周病学会、ヨーロッパ歯周病学会から、20年ぶりとなる、歯周病の新診断に ...
少し前になりますが、1月10日に当院院長である、辻翔太主催の講演会を東京でおこなっておりました。こち ...
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