インプラント光機能化について

インプラント光機能化について

Category : インプラント
Update : 2024.06.22

当院では、他院での治療に不安を覚えられたり、ご自身でたくさん調べて来院される患者様が、多数おられます。その際に、インターネットで見かける、色々な治療方法についてのお問い合わせを頂きます。そういったお問い合わせの中の一つである、『インプラントの光機能化』について、ご説明をさせて頂きます。

光機能化とは

インプラントの光機能化とは、インプラントを使用する直前に一定の条件で光を当てることで、インプラントと骨の結合をよくするという方法です。この方法は、ある日本人の先生で、米国の大学で教授として教鞭を取られご活躍されている先生の基礎研究をベースに、開発された方法です。

当院で光機能化を採用していない理由

当院の院長をはじめ、臨床医(実際、患者様に治療を行う医師)としては、基礎研究での研究データが、本当にヒトの体で効果があるのかを見極めて、クリニックで導入するか、を決定する必要があります。この、光機能化に関して言えば、残念ながら答えは、「採用しない」と言う結論になります。その理由をご説明いたします。

専門的なデータなどは、割愛させて頂きますが、たしかにデータとしては、光機能化しなかったインプラントと、光機能化したインプラントでは、骨の結合に違いはある可能性はあります。しかし、通常のインプラントでも、すでにかなり高い確率で骨との結合が見られるため、それを高価な機械を導入して、さらに確率をあげる必要があるのか(例えば、97%を98%にあげるとか、です)という疑問が生じます。治療を受ける側とすれば、確率が高い方が良いのでは、と考えられるかもしれませんが、当然その分、コストが「かなり」かかるため、ただでさえ高額なインプラント治療費が、さらに上がってしまいます。

専門医は、自分の知識と経験で、導入すべきもの(本当に必要なもの)と、それに値しないものを、毎年のように出てくる新しい製品について、見極める必要があります。専門医制度(専門医教育)の確率していない日本では、残念ながらそういった判断力が高いとは言えない歯科医師も多く、新しいとなると、すぐに飛びついて、結局数年で使わなくなるということが良くあります(当院でも全くないわけではありませんが、かなり少ないです)

光機能化に関しては、光機能化をするためだけに、高額な機械の購入が必要になります。逆に言えば、お金を出して機械を買いさえすれば、知識、技術関係なく、患者さんにアピールできてしまいます。機械を買ったので、いまだに使われているクリニックでは、ウェブサイトに記載があるのかもしれませんが、すでに時代錯誤な感が否めない、もしくはウェブサイトがアップデートされていない可能性があります。

残念ながら、インプラント研究、治療は、北米、欧州がリードしていますが、米国および欧州の主要なインプラント学会、歯周病学会で、ここ7、8年は、光機能化についての講演を一度も聞いたことがありません。また、元々は、日本企業が最初に機械を開発したという経緯もありますが、10年以上前に、光機能化の機械が販売開始されてから、新製品が出た形跡がありません。(正確な情報ではありませんが)現在では日本でも購入希望者はほぼゼロで、開発も止まっていると想像します。(欧米では、そもそも採用したクリニック自体が、ほぼゼロだと思います)そのため、欧米の若い先生たちは、光機能化については、知らない先生も多いと思います。ただ、将来的には、別の方法で、必要になったり、使えることが出てくる可能性はあります。日本人の歯科医師の先生が長年研究されている方法ですので、1人の日本人として、応援したいですし、今後の研究結果の動向には注目はしております。

このような状況から、当院では現時点(2024年6月)「光機能化」は採用しておりません。ご理解頂けたらと思います。

歯周病治療専門クリニックSPIDO院長 辻 翔太



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