根面被覆治療について

根面被覆治療について

Category : 再生治療
Update : 2025.09.25

今回は、”根面被覆治療”についてお伝えしていきます。
根面被覆治療とは、歯ぐきが下がって歯根が露出してしまった部分を、患者さん自身の歯ぐきで覆う外科的な処置のことです。

①治療を行うタイミング

根面被覆治療が検討されるのは、次のような場合です。(参考文献1

1. 知覚過敏がなかなか治らない場合

2. 見た目が気になる場合(特に前歯)

3. 歯ぐきが薄く、このまま下がるとさらに歯根が露出する可能性がある場合

近年はSNSでも前歯の根面被覆の写真が多く出回っています。
きれいな仕上がりに見える一方で、正しい診断や治療法の選択がなければ良い結果につながらないこともあります。

②治療の前に必要な確認

根面被覆治療を行う前に、最も大切なのは歯周病がないかどうかの確認です。

• 歯肉炎や歯周炎がないこと

• 4mm以上の深い歯周ポケットがないこと

• 出血(BOP)が全体の10%未満であること

歯は1本につき6か所測定するため、全ての歯が残っている場合は168か所のうち16か所以下の出血であれば、治療の適応といえます。

このような検査をきちんと行っているかどうかを、まず確認することが大切です。

③治療の方法と条件

条件が整えば、根面被覆の外科処置を行います。
ただし、歯並びが乱れている場合などは、先に矯正治療が必要になることもあります。

治療では「歯ぐきの厚み」をどう確保するかが大きなポイントになります。

日本人を含むアジア人は欧米人に比べて歯ぐきが薄い傾向があり、その場合は上あごの内側から結合組織を採取して移植することが多いです。(上皮下結合組織移植、Subepithelial Connective Tissue Graft)

この方法は、代替の材料を使用した方法と比較して予知性の高い治療ですが(参考文献2)、術部が2か所になるというデメリットもあります。そのため、海外では代替材料も使われていますが、日本では認可されておらず、またご自身の組織を使った場合の方が結果が良いため、基本的には自己組織での治療を優先します。(当院では、未認可材料の使用を了承いただいた場合のみ、代替材料での治療も可能です)

④治療のバリエーション

根面被覆の手術には多数の方法があり、状況に応じて適切な方法を選ぶ必要があります。
1つのやり方だけではなく、複数の方法を使い分けられる経験豊富な歯科医師に治療を任せることが、良い結果につながる大切なポイントです。

参考文献

1. Richardson, Christopher R., et al. “Periodontal soft tissue root coverage procedures: practical applications from the AAP regeneration workshop.” Clinical Advances in Periodontics 5.1 (2015): 2-10.

2. Moslemi, Neda, et al. “Acellular dermal matrix allograft versus subepithelial connective tissue graft in treatment of gingival recessions: a 5‐year randomized clinical study.” Journal of clinical periodontology 38.12 (2011): 1122-1129.



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